MT免許とAT免許。オートバイ初心者が迷うバイクの免許 

大型スクーター オートバイの免許を取る

バイクの免許、MTとATどっちがいいの?初心者向け徹底解説

 オートバイの免許を取るとき、どの免許にするのか。と迷うことが2つあります。

  1. オートバイの大きさの違い(大型二輪、普通二輪、小型限定二輪など)
  2. オートバイを走行させるときの操作の違い(マニュアル、オートマチックなど)

 この記事では2番目の「オートバイを走行させるときの操作方法の違い」に焦点を当てます。

 オートバイの操作方法を大きく分けると2つに分かれます。

  • 限定なし免許
  • AT限定免許

 ※ちなみにこの2つの種別(限定あり・なし)はオートバイだけでなく、普通自動車、中型車、大型車、二種免許等にも当てはまります。

限定なし免許

 限定なし免許とは運転する車種についての限定はなく、許された範囲内の車両なら何でも運転して良いという免許です。
 ギアチェンジが必要なバイクも、ギアチェンジの必要がないオートマチック車も運転出来ます。
 「マニュアル免許」「ミッション」「ギア付き」などの呼び方があるようです。

 運転する車種についての限定はありませんので、運転免許証には何の記載もされません。

マニュアルギアとハンドブレーキ
オートバイのステップ

AT限定免許

 AT車に限定された免許です。マニュアル車などは運転出来ません。クラッチ操作が伴わない車両の運転に限定された免許です。
 AT免許、オートマ免許、スクーター免許などと呼ばれているようです。

 運転免許証には運転の条件の項目に「AT車に限る」という記載がされています。

AT限定のシフトレバー

 なお、限定に関しては「AT車に限る」のほかに「眼鏡等」や「補聴器」「普通二輪は小型車に限る」などいろいろな限定があります。

どちらを選ぶべきなのか

 さて、いわゆる「マニュアルの免許」と「オートマの免許」。

 どちらの免許にすると良いのでしょうか。。。

 クルマの運転免許を取ろうと思う時に、ギアチェンジのあるマニュアル(MT)免許にするか、ギアチェンジのないオートマチック(AT)限定免許にするか、迷う人が多いのと同じです。

小型オートバイスクーター125

 ここではAT限定免許(スクーター免許)について迷っている方のための、私なりの助言です。

「迷っているのなら」限定なし免許(マニュアル免許)を選びましょう

 実は私は「自動車学校の教習指導員」として、25年間勤務してきました。

 オートバイの免許を取ろうとする人で、自動車学校に入校する際によく聞かれるのが「スクーターに乗りたいのですが、普通に自動二輪免許を取ればよいのか、AT限定免許(オートマチック免許)を取ればよいのか、迷っています。」という意見です。

料金だけ見比べるとAT免許が魅力的

 確かにAT限定普通二輪免許は、限定なしの普通二輪免許(マニュアル免許)と比べると、教習時限が少しだけ短い(2時間)ぶん、料金的は多少安くなります。

 料金だけ見たら、魅力的に感じるかもしれません。

小型限定二輪ならAT免許もおススメ

 小型限定(125㏄以下)二輪免許だけで考えると、AT限定普通二輪(小型二輪に限る)でも良いと思います。

 小型二輪ATバイクの車体は、原付バイクとさほど大きさも変わりません。
 2人乗り用のシートがついた分だけ、大きい印象がある程度です。

 小型二輪限定であればAT免許でも快適に取得可能でしょう。

 所有するのが125㏄以下のオートバイで、選択肢がスクーターのみの人はAT免許でも全然おススメです!

横断歩道の上を通過するスクーター
普通二輪以上ではAT免許をおススメしない理由

 しかし、普通二輪(400cc未満)や大型二輪(400cc以上)でマニュアル(MT)免許かオートマチック(AT)免許で悩んでいる人がいたら、私は間違いなくマニュアル免許を進めます。

「ATはやめておきなさい」とアドバイスします。

 なかには「買うオートバイは既にスクーターと決まっているのでAT免許で良いです」と言ってくる人もいます。

「スクーターしか乗りません」という方にも、同じアドバイスをします。

 免許取得後、私用で乗る分にはAT車(スクーター)で全然オッケーです。

 一般市場に出回っている普通二輪のスクーターのほとんどが250ccのスクーターですから。
 コツをつかんだら、とても運転しやすいと思います。
 軽いし、気軽に乗れますよ。

普通二輪のAT車はメッチャ重たい!

 しかし、全国の自動車学校が「AT限定普通二輪免許の教習用に使用している車種」は、ほとんどがホンダのシルバーウィング400(R7.8.1現在)です。

 AT限定大型二輪免許であれば、スズキのスカイウェーブ650!

 シルバーウィング400は、マニュアルのバイクと比べて車体が大きく、重量も重いため、特に女性や体格の小さい方にとっては取り扱いが難しいです。

 大型二輪で使うスカイウェーブ650はさらに重い!
 教習指導員でさえ「よっこいしょ!」と心の中で思いながら取り扱います。

 正直な話、私も取り扱うのに気合が必要でした!
 特に暑い日は大変。
 重たすぎて「まるで何かのトレーニングのよう」でした。。。

AT限定免許は予約が取りにくい

 通常、自動車学校の教習では、1人の指導員が2人の教習生まで同時に教習しても良いことになっています。自動車学校のコースによっては3人まで同時に教習が可能なところもあります。

 ただし、同じ車種の教習生でないと同時に教習が出来ません。

 限定なしの教習生と、AT限定の教習生を、同じ指導員が同時に教習することは出来ないのです。
 実際の自動車学校の教習生の割合として、AT限定の教習生はかなり少ないのが現状です。
 限定なしの教習生では、どんどん教習の予約が取れるのに、AT限定の教習生は、空いている指導員がいないために、予約が取りづらいのが現状です。

 結果的に卒業までに時間がかかることになります。

 教習の進み具合を考えてもAT限定免許はあまりおススメできるとは言いづらいです。

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令和7年8月現在で、自動車学校で実際に使用している教習車両の、車両重量をざっくりとではありますが、比べてみてみました。

※ホンダ シルバーウィング400(AT,スクーター) 約250㎏
 ホンダ NX400L      (MT)      約200㎏

 スズキ スカイウェーブ 650(AT,スクーター) 約280㎏
 ホンダ NC750L      (MT)      約230㎏


 MT車に比べて、AT車が約50㎏重いのです。
 AT車のほうが重いのです。

 しかもシートが大きいから、足つきも悪い!

 その車両で「クランク・S字」や「スラローム」を通過しなければいけません。
 正直、大変です。
 むつかしいです。
 慣れていない方には怖いと思います。

 ここまで言っても「私は絶対にAT二輪でないとダメなんです」という方には「そうですか、がんばってください」とお返事するしかありません。

 でも「絶対にAT限定免許じゃないといけない」人は、そんなにいません。

「どうせスクーターしか乗らないから」とか「教習料金が安いからATで良いです」という方は、AT限定免許はやめておいたほうが良いです。

「マニュアル(MT)免許にしておきなさい!!」です。

 本当に大きくて重くて大変ですよ。

 大型二輪に関しては「なおさら」大変です。

 私の知る限り(※私の個人の感想です)AT限定二輪免許を選択して入校された方を思い返してみると、ほとんどの方が延長料金を払っています。しかもかなりの額!

 新品のヘルメットを一つや二つは余裕で買える額です。

まとめ

 二輪免許に関してMTとATで迷っているのなら、ATはやめておいたほうが良いでしょう。

 どうしても悩むという方は、入校申込をする前に実車に跨らせてもらうと良いです。

 大きくて重くて、びっくりしますよ。

 どこの自動車学校でも、跨らせてくれるはず(体感してほしい)ですし、普通二輪免許(AT限定)を進めてくるところはないでしょう。

 だって自動車学校としてもAT限定二輪免許は避けて欲しいのですから。(※私個人の印象)

 理由は以下の通り

  • コケてケガしてほしくない(普通に心配です)
  • 教習が滞ってしまう
  • 車両を壊してほしくない(もう生産されていない)
  • 延長教習なしで卒業してほしい(他の教習生の乗る枠がなくなる)
  • 予約が取りづらいと言われたくない(AT限定普通二輪免許の教習の追加予約は取りずらい)

「AT二輪免許じゃないと絶対ダメ」という方は仕方ないですが、MT二輪免許とAT限定二輪免許で多少の迷いがあるときは、MT二輪免許を選ぶことをお勧めします。

沢山のアメリカンバイク
なぜMT免許をおすすめするのか?

 MT免許を取得しておけば、将来的に大型バイクに乗ったり、海外でバイクを運転したりする際にも、運転することができます。

 また、MT車の方がAT車よりも多くの種類のバイクに乗ることができますので、乗りたいバイクの選択肢がぐっと増えて楽しみが増しますよ。

 ちなみに、オートバイの免許取得のピークは一般的には5月6月と言われています。バイクの免許を取りたい人は早めに問合せすることをお勧めします。

 バイクの免許を取るときに揃えておいた方がよい装備に関しての記事。初心者必見! 自動車学校に通う前に揃えたいバイク用品3選も読んでいただきながら、落ち着いて考えてもらえると良いと思います。
 

 まだどんなオートバイに乗りたいのかはっきりと決められていない人は、初心者のあなたにぴったりな一台を見つけるためのオートバイの選び方の記事も合わせてご覧ください。

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