技能教習を始めた段階で、多くの人が「オートバイの運転が難しい」ことに気付きます。
街でライダーが颯爽と走り去っていく風景を見ながら「自分もオートバイに乗りたい」と憧れを持って自動車学校に入校してくれたことは、バイク好きの私としてはとっても嬉しいです。
しかし、初めて実際にバイクにまたがってみると
- 想像よりも大きい。
- 思っていたより重い。
- 動かすの怖い。
特に体力に自信がない人や比較的小柄な人が、技能教習の初めの「発進」でつまずく印象です。
「オートバイは、意外にも発進が難しい。」
「発進」以上に難しいのが「停止」ですが、ここではまず発進にフォーカスを当てて進めていきます。

オートバイの運転が楽しくなる!初心者のためのスムーズな発進のコツ
初めてオートバイに乗る人が技能教習を開始する上で、まず最初にクリアしなくてはいけないのが発進。
発進が出来ないと、その後に続くギアチェンジも停止も何もできません。
発進が「上手く出来るようになる人」と「そうでない人」では、この先の技能教習の進み具合に大きな差がつきます。
発進は、バイクに乗る上で最も基本的な動作の一つ。
スムーズな発進をマスターすれば、運転の楽しさが格段にアップ。
自信を持ってバイクに乗れるようになります。

スムーズな発進の3つのポイント
では早速ですが、スムーズにする発進のための3つのポイントは以下の通りです。
- アクセル操作
- クラッチ操作
- 目線
ひとつづつ、ゆっくり解説していきますね。
教習生の方は運転教本で操作について予習・復習してからご覧ください。
アクセル操作

発進するためにはオートバイを「発進する気分」にしてあげましょう。
まずは右グリップのアクセルグリップを回して、エンジンの回転を上げましょう。
エンジンの回転を上げなければ、スムーズな発進は出来ません。
もちろん、エンジンの回転を上げすぎるのは危険です。
しかし、それを恐れてまったくエンジンの回転を上げないで発進するのはとっても難しいです。
普通車など4輪車の場合は、発進後の速度が極端に遅くても怖いということはありません。
しかしオートバイなどの2輪車はバランスを保って転倒しないようにしなければならないため、極低速での発進はむつかしいです。
しかしオートバイの教習で最初につまずく人は、発進時にアクセルを使わないために、発進に失敗してしまうのです。
まるで初めての日から超ゆっくりな一本橋の練習をするようなものです。それはむつかしいでしょう。
表現がおかしく感じられるかもしれませんが、「エンジンちゃん」が発進する気分になっていないのに、無理やり発進させているようなことになります。
構造上、排気音の音量は普通車などに比べると大きいのですが、実はオートバイのエンジンは小さいのです。
普通乗用車であれば、1,500㏄や2,000㏄などのエンジンが一般的ですが、オートバイはというと自動車学校で乗る普通二輪車はたったの400cc弱。大型二輪車でも750㏄くらいしかありません。普通乗用車に比べると圧倒的に非力です。
発進する時は、まずはアクセルをゆっくり操作し、エンジンの回転数を停止時の1.5~2倍程度に上げます。
この時、エンジンの回転を感じながら、バイクと一体になるイメージを持ちましょう。
そして、その回転を維持したまま、半クラッチで少しづつエンジンのパワーをタイヤに伝えていきます。
エンジンの回転が上がっていても、半クラッチさえ丁寧にあつかえば急な発進になりません。
まずは「エンジンちゃん」を発進する気分にしてあげましょう。
クラッチ操作

発進のコツとして最も重要なのはクラッチ操作です。
普通自動車の教習生にはクラッチ操作が雑でエンストする人が多いですが、オートバイの教習生はていねいにクラッチ操作が出来る人が多いです。むしろていねいすぎて時間がかかる感じ。
まずはエンジンの回転を上げます。ただ回転を上げすぎないように注意してください。
エンジンの回転が一定になったら、クラッチレバーの遊びを取り、ゆっくりとレバーを離していきます。
クラッチレバーがある位置になると、バイクが動き出します。
動き出したところで一度クラッチレバーの動きを止める(半クラッチ)。
発進が安定してきたら、様子を見ながら徐々にクラッチを放していきます。
その時にエンジンの回転が下がらないように注意して下さい。
エンジンの回転は発進したときの回転をキープします。
「エンジンちゃんを発進する気分」にさせておいて、その気分を害さないようにクラッチを操作しましょう。
オートバイの発進は「エンジンの回転をある程度維持している」ことが前提です。
発進出来ても、急にアクセルを戻すのはやめましょう。
もちろん、クラッチレバーを急に放すのは厳禁。
クラッチ操作で発進をコントロールするイメージを持ちましょう。
発進の仕方をコントロールするのはクラッチ操作です。
目線
クルマなどと違い、オートバイの運転で目線の使い方はとても大切。
それはまだ動いていない「発進操作」のときでも同じです。
メーターを見ながら発進するのはNG!

エンジンの回転数を一定にしようとしすぎるばかりに、じっとメーター(エンジン回転計)を見ながら発進するのはダメです!
下を、手元を見たまま発進すると動き出したとたんにバランスを失います。
ある程度の回転数がキープできたら、エンジンの音を聞いていてください。
エンジンが出す音程をキープしてください。
エンジンの音程がキープできたら、エンジンの回転数も維持できます。
そして目線を前に向け、発進し始めるのです。
手元・足元を見ながらの操作はNG

アクセルグリップやクラッチレバーの操作に集中するあまりに、手元を見ながらの操作もNG!
発進は、常に前方をしっかりと見て周囲の状況に注意を払います。
路面の状況や他の車両の動きを予測し、安全に発進することが大切です。
オートバイはバランスを取りながら乗る乗り物です。
バランスを取りながら発進しないと、変な方向に進んでしまったり転倒したりします。
エンジンの回転数はエンジンの音を頼りに。
目線は進行方向をしっかり見て発進。

まとめ
発進を上手くするコツは以下の3つでした。
- アクセルを使ってしっかりとエンジンの回転をキープする
- 丁寧な半クラッチ操作
- エンジンの回転は音を頼りに。目線は前!
スムーズに、カッコよく発進できるようになりましょう。
スムーズな発進がイメージできたら、そのまま安定して走り続けたいですよね。
ぜひ次の記事
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初心者でも大丈夫!オートバイ教習攻略 安定した走行をマスターする基礎知識をご覧になってください。
教習生が心配な坂道発進についてはこちら。
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坂道発進を克服!初心者が自信をもって発進できる オートバイ教習攻略 坂道発進
そしてスムーズに発進できるようになるといつかは止まらなければいけません。合わせて安全な停止の記事も参考にしてください。
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