自動車学校の卒業検定において、スラロームは一本橋・クランクと並んで多くの受検生の壁となります。練習を重ねても、いざ本番となると緊張して失敗してしまうものです。ここでは「卒業検定でやってしまうスラローム失敗例を3つ」お伝えします。
この記事では卒業検定でスラロームをクリアすることに特化しました。
25年間、検定員として数えきれない人たちの合否を判定してきた私が、スラロームで『合格する人』と『落ちる人』の決定的な違いを教えます。
スラロームに自信がない方は、ぜひ参考にしてください。
スラロームの目的は決められた時間をクリアすることではありません。アクセルを使って車体の動きをコントロールすることが目的です。
卒業検定でのスラロームの課題履行条件
パイロン(ロードコン)を左右交互に通過
スラローム走行では、コース内に置かれたパイロンを左右交互に通過しなくてはいけません。
ひとつでもコースを外れてしまうと検定が中止されます。
ひとつずつ、確実に通過しましょう。
通過時間の計測
スラロームには、通過時間が決められています。
- 入口のパイロンの間をフロントタイヤが通過したら時間の計測が開始
- 出口のパイロンの間をフロントタイヤが通過したら時間の計測が終了

通過時間
スラローム通過タイムは以下の通り。
- 普通二輪 8秒以内。
- 大型二輪 7秒以内。
時間がクリアできなかった場合は減点の対象となります。
検定中止事項
- エンスト
- 脱輪
- 接触
- 転倒
- 足つき
- 交互にパイロンを通過できない
これら全てが検定中止になります。

卒業検定時にやってしまう失敗例3つ
スラロームは時間がクリアできないと減点でしたね。
出来ることなら減点は避けたい。それは当然です。
でも、通過タイムを気にしすぎた結果。。。
「卒業検定だからこそ」やってしまう3つの失敗例を紹介します。
入り口からオーバースピードで進入してしまう
3大失敗例その①!
- 卒業検定だから
- タイムをクリアしなくてはいけないから
- バシッ!と決めたいから
気合を入れすぎて、入り口の時点でオーバースピードで進入してしまう人が多い!
実際に私が検定をしていて「そのスピードでの進入は無理だろ。。。」と最初から思ってしまう人が多い。
オーバースピードで進入するのでスラロームコースの中でアクセルが使えなくなります。
本人も「やばい、速すぎた」と思っているので、身体に力が入ってガチガチに。
後半になるとパイロンを避けるのが精いっぱい。
ということになります。
結果はおおむね以下の3つに分けられます。
- パイロンに接触
- パイロンをクリアできずにコースから逸脱
- スピードに負けてフロントブレーキをかけて転倒
タイムをクリアすることに気持ちが向きすぎて、スラローム走行の本来の目的を忘れてしまっているのです。
スラロームの目的は「アクセルを使って車体の動きをコントロールすること」
元指導員・検定員としての私からのアドバイスです。
スラローム進入時は「むしろゆっくりめ」のほうが良い結果につながります!
- スラローム進入時はあえてゆっくり目のスピードに抑える。
- パイロンをひとつクリアしていくごとに、アクセルを入れていく。
- パイロンをひとつクリアしていくごとに、ペースを上げていく。
- パイロンをひとつひとつ、リズミカルにこなしていく。
もちろん、検定当日だけ、上記のことを意識しても逆に失敗します。
普段から意識して練習しておきましょう。

ギアペダルを踏みこんでしまう
3大失敗例その②!
これも卒業検定当日によく見られます。
ステップを踏ん張りすぎて、無意識のうちにギアペダルを踏んでしまうのです。
「サードで進入するはずがセカンドに」
「セカンドで走行していたら突然ローギアに」
スラローム走行中に、急にギアが変わってしまうのです。
走行がギクシャクしてしまい、大きくリズムを崩してしまったなんてことに。
中でも、見ていて気の毒になるのが
「スラロームを通過中にギアがニュートラルになった」人。。。
意外に多いんですよ!
スラロームコースには進入出来ているのでギアは入っていたはず。
スラロームの途中で「いきなり」ギアが抜けてしまうのです。
当然、急に失速してコントロールを失います。
車体が傾いたバイクは一瞬の空ぶかしの後、次の検定中止事項のいずれかが待っています。
- コースアウト
- 足をついてしまう
- 転倒
- パイロンに接触

ステップを踏ん張りすぎないようにしましょう
足の裏の、どの部分でステップを踏んでいるのか「改めて確認」しておきましょう。
「くせ」は無意識にやってしまうので、自分ではなかなか気づきません。
土踏まずできちんとステップを踏んでいるのか再確認です。
「そもそも論」として、元指導員の立場からするとニーグリップが弱いからそうなるんですけどね。。。
パイロンを見ている
3大失敗例、最後の③!
よりによって卒業検定で「がっつり」パイロンを見てしまう人。
「気合が入りすぎてしまう人」
「スラロームに苦手意識が強い人」
「入り口の進入スピードが速すぎた人」
ほぼ、パイロンをじっと見ています。

オートバイはバランスで乗りマス。
目線の向いている方向に向かいます。
二輪車とはそういう乗り物です。
卒業検定でも技能教習をしていても、スラロームで失敗する人は目線を見ていれば分かります。
パイロンをじっと見ながら進入するからです。
パイロンを見ていると、失敗します。
中止にはならなくても、いつもの練習のようにはできなくなります。
「進行方向を見る」
「前輪の通過して欲しい路面を見る」
などして、パイロンを見ないように意識しましょう。
まとめ
スラロームは、決められた時間をクリアすることが目的ではありません。

卒業検定は競技会ではない!
タイムにこだわり過ぎない。
しつこいですが、以下のいずれかで検定は即刻中止です。
- エンスト
- 脱輪
- 接触
- 転倒
- 足つき
- 交互にパイロンをクリアできなかった
減点は検定中止よりはマシ
卒業検定は競技会ではないので、速く通過したとしても点数が上がるわけではありません。
タイムがクリアできなかった場合は「ただの減点」で済むのです!
「危なっかしい」と思われないように
検定員も人間です。印象は大切です。
- 変なタイミングでアクセルを使っていた
- まったくアクセルが使えていなかった
- パイロンに接触しそうになった
- スラロームコースの中でフロントブレーキを使ってしまった
- 前走車がまだスラロームコースにいるのに気付かないで進入してしまった
タイムはクリアできたとしても、こんなことになったら検定員に「危ない運転をする人」といった悪い印象を与えてしまいます。
まさに「本末転倒」とはこのこと。
スムーズに安全に通過しましょう。
スラロームの目的
再確認しましょう。
スラロームの目的は「アクセルを使って車体の動きをコントロールする」ことにあります。
目的を見誤らないように。
「スムーズに」「スマートに」駆け抜けていくイメージで行きましょう。
この記事では検定でスラロームをクリアすることに特化しました。
技能教習など練習でスラローム走行のレベルを上げたい人、スムーズにスラロームを通過できるようになりたい人は、こちらの記事もご覧ください。
↓
スラローム上達の5つのポイント。オートバイ教習攻略 スラローム
卒業検定におけるクランク。一本橋。波状路。急制動についての記事が気になる方はこちらの記事も併せてごらんになってください。
少しはお力になれると思います。
検定員はここを見ている
最後に。
元検定員でもある私が、卒業検定の時にどこを見ているのか、お伝えします。
それは「音」。
検定員が「見ている」という表現とは少し変わってしまいましたが、私が検定をしているときに気にしていたのは、実は「音」なのです。
いったい何の音を気にしていたのか分かりますか?
そうです。
検定員は「エンジンの音」を聞いているのです。
- リズミカルにアクセル操作が出来ているか
- アクセルを回す量は適切か
- 毎回、アクセルのタイミングや量がバラバラになっていないか
- タイミングはバイクの動きに合っているのか
- 唐突なアクセル操作になっていないか
- タイムを稼ぐためのアクセル操作になっていないか
実は検定員は、普通車での追従検定の時は、必ず窓を開けています。
そしてアクセルの入れ方を「音」からも確認しているのです。
スラローム走行でのアクセル操作の意味と重要性が、ここからも分かっていただけると思います。
スラローム走行では、検定員は「エンジンの音」を聞いているのです。


