自動車学校の卒業検定、特にスラロームは一本橋と並んで、多くの受験生にとっての壁となっています。せっかく練習を重ねても、いざ本番となると緊張してしまい、コースアウトしてしまう方も少なくありません。 この記事では、卒業検定でスラロームをクリアすることに特化しています。 失敗しないコツを指導員・検定員目線でお伝えします。 スラロームに自信がない方、卒業検定合格を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
スラロームは、決められた時間をクリアすることが目的ではありません。アクセルを使って、車体の動きをコントロールすることが目的です。
スラローム走行のレベルを上げたい人、技能教習でスムーズにスラロームを通過できるようになりたい人は、教習攻略 スラロームをご覧ください。
卒業検定における、スラロームの課題履行条件です。
コース内に置かれたパイロン(ロードコーン)を左右交互に通過していきます。
スラロームにも、通過時間は決められています。
入口のパイロンの間を前輪タイヤが通過したところから、時間の計測が始まり、
出口のパイロンの間を前輪タイヤが通過したところで、時間の計測が終わります。
通過時間は
普通二輪が8秒以内。
大型二輪が7秒以内。
時間がクリアできなかった場合は減点の対象となります。
スラロームの検定中止事項
エンスト。脱輪。接触。転倒。足つき。交互にパイロンをクリアできなかった。
全てが検定中止になります。
特に卒業検定時に起こる失敗例をみっつ。
①入り口からオーバースピードで進入してしまう。
「卒業検定だから」
「タイムをクリアしなくてはいけないから」
入口から、気合を入れすぎてオーバースピードで進入する人がいます。
中には、そのスピードでは無理だろ。。。と思ってしまう人もいます。
オーバースピードで進入しているので、スラロームの中でアクセルを使えません。
後半になると、パイロンを避けるのに精いっぱい。ということになります。
進入時に、タイムをクリアすることに、気持ちが向きすぎているのでしょう。
スラロームは、アクセルを使って、車体の動きをコントロールすることが目的です。
スラローム進入時は、むしろゆっくり目のほうが良いです。
そして、
パイロンをひとつ、クリアしていくごとに、アクセルを入れていきますので、
パイロンをひとつ、クリアしていくごとに、ペースを上げていく。
そんなつもりのほうが、検定当日は、上手くいくと思います。
②ステップに力が入りすぎてしまう。
これも、卒業検定当日でよく見られる事象です。
スラロームを走行中に、足をステップに踏ん張りすぎて、無意識のうちにギアペダルを踏んでしまうのです。
そして、ギアがニュートラルに抜けてしまい、急に失速して、コース逸脱、または足つき、転倒などがたまにあります。
スッテップに力を入れて踏ん張りすぎないようにしましょう。
足の裏のどの部分でステップを踏んでいるのか、改めて確認しても良いかもしれません。
土踏まずできちんとステップを踏んでいるのか、再確認しましょう。
そして、大切なのはやはり、ニーグリップです。
③パイロンを見ている
オートバイはバランスで乗る乗り物です。
見ているところに向かっていくのがオートバイです。
卒業検定を見ていると、スラロームを失敗する人は最初から分かります。
パイロンを見ている受検生は、たいていスラロームの走行で失敗します。
純粋に走行を失敗するとか、タイムがクリア出来なかったとか、接触などをして中止になるとか、失敗の度合いは様々です。
しかし、パイロンを見ている受検生は、何かしらスラロームで失敗しています。
「進行方向を見る」「前輪の通過して欲しい地点を見る」などして、パイロンを見ないようにしましょう。
スラロームは、決められた時間をクリアすることが目的ではありません。
もしもタイムをクリアできなかった場合は、ただの「減点」です。
速く通過したとしても、点数が上がるわけでもありません。
エンスト、脱輪、接触、転倒、足つき、交互にパイロンをクリアできなかった、の全てが検定中止になります。
スラロームの目的は「アクセルを使って、車体の動きをコントロールする」ことにあります。
目的を見誤らないように、スムーズに通過しましょう。