この記事では、卒業検定を受検するために知っておくべきこと。合格するための心構えを、技能検定員の視点からわかりやすく解説します。
オートバイの免許を取ろうと自動車学校に通った場合、教習を終えれば卒業というわけではありません。
卒業検定に合格しなければ、卒業証明書を受け取ることはできません。
自動車学校を卒業するためには、卒業検定に合格しなくてはなりません。 卒業検定を行う前に、卒業検定についての説明があります。 それを自動車学校では「課題説明」といいます。
卒業検定は、運転技術と知識を評価する実技試験です。
卒業検定に合格するには、公道で安全にバイクを運転できることを証明する必要があります。
課題説明では、緊張して意外と聞いていない人が意外に多いです。
後で戸惑うことのないように、しっかりと聞いておきましょう。
卒業検定を受検するにあたって、技能教習の「みきわめ」が「良好」になってないと受検できません。
「みきわめ」の結果が「不良」では受験できませんし、
最短時限数には達したものの、教習項目の全てが完了していないと「みきわめ」が出来ませんし、「みきわめ」が「良好」でないと、卒業検定は受検出来ません。
事前に確認しておきましょう。
受検資格 みきわめが良好であること 教習の条件を満たしていること 運転に適した服装であること
まずは「みきわめ」が「良好」でなければいけません。
みきわめが「不良」であったり、教習項目の全てが完了していなかった場合は受検できません。
勘違いして、受検資格がないのに検定に来る人がたまにいます。
最後の教習の時に、教習指導員にしっかりと確認して下さい。
「あす、卒業検定を受検できますか」と。
※普通車等の運転免許を所持していない教習生が、みきわめの教習を受講するためには、学科教習を受講済みであることと、効果測定に合格していないと、みきわめの教習が出来ません。
該当する人は、事前に確認しておいてください。
卒業検定を受検する際には、技能教習と同様に、教習の条件を満たせていないと、受検出来ません。
「眼鏡等」などの条件が付されているのにメガネ等を忘れたら、当然受検出来ません。
他車種の運転免許証を所持している場合は、運転免許証の提示が求められます。
運転免許証を提示できない時は卒業検定を受検出来ません。
忘れないようにしましょう。
服装等も運転に適した状態でないと、卒業検定を受検できません。
必要な装備については、初心者必見! 自動車学校に通う前に揃えたいバイク用品3選で説明していますので、そちらで確認してください。
課題説明では以下の説明があります。①受験番号と走行する順番②走行するコース③検定中止事項④採点範囲⑤検定員の観察方法⑥走行コースを間違えた時の対応
①受検番号と走行順番
卒業検定では、各車種ごとに受検番号が付されます。
自身の受検番号と、走行順番を確認してください。
例えば、普通二輪として受検する場合、受検番号は普通二輪「3番」でも、大型二輪の検定後に普通二輪の検定が行われる場合は、走行順番は4番だったり5番だったりします。
受検番号も大切ですが、走行順番も気にしておきましょう。
また、自分の走行順番が後半だからと、自分の順番が来るまで漫然と過ごさないようにしてください。
先に受検している人たちが、すべて完走するとは限りません。
前の受検者が、発進してあっという間に「検定中止」となって発着点に戻ってくることもあり得ます。
検定全体の流れをしっかり見定めながら、準備をしましょう。
②走行コースの発表
卒業検定においては、事前の課題説明で、初めて走行コースが発表されます。
コースの発表は、卒業検定が始まる1時間前が一般的です。
コースが発表されてから、あわててコースを覚えようとしても覚えきれません。
ましてや、卒業検定受検中は極度の緊張状態の中での走行となります。
頭の中が真っ白になって、走行コースが飛んでしまうことも珍しくありません。
普通車などの検定と違い、オートバイの検定には、検定車両に検定員が同乗できないので、コース案内はありません。
どのコースを指定されても大丈夫なように、受検する前に、しっかりと各コースを頭に叩き込んでおいてください。
本当に、めっちゃ緊張しますよ。
③検定中止事項
卒業検定の採点の中で「危険行為」というのがあります。
率直に言ってしまうと、「これをやってしまうと検定中止ですよ」という説明があります。
基本的には、教習を進める中で、同様の説明がありますから、検定説明で初めて聞くことは少ないと思いますが、しっかりと聞いておいてください。
危険行為には「脱輪」、「接触」、「逆行」、「転倒」、「優先妨害」、「減点超過」、「指示違反」などが挙げられます。
④採点の範囲
卒業検定の採点の範囲は、「乗車する時から、降車するまで」です。
オートバイに乗る時から、降りるまでの全てが採点の範囲ということです。
当然、乗車方法から気を付けなくてはいけませんが、やってしまいがちなのが「降車する時」です。
技能検定での走行を終え、発着点に戻り、走行が終わったと思って「ほっ」としないでください。
くれぐれも「降りるまで」が、採点の範囲問ことを忘れないでください。
私も技能検定を行いますが、走行を終え、最後に発着点に戻ってきて、降車する時にバランスを崩して転倒になったりする人もいます。最後の最後でサイドスタンドを上手くかけられなくてオートバイを倒してしまう人もいます。
採点の範囲は「乗車する時から、降車まで」ということを忘れないでください。
⑤検定員の観察方法
卒業検定を受検するにあたって、検定員がどの様にあなたの運転を観察採点をするのか。
各自動車学校によって違いますので、事前に他の人が検定を受検しているところを見学できると良いですね。
もちろん、検定説明のときにも、観察方法についても説明されますが、事前にわかっていると気持ち的に少し安心しますので、卒業検定受検日が近づいてきたら、他の人が受験されているところを、事前に見学できると良いと思います。
・管制塔型
検定員が、コースを見渡せる高所(管制塔)にのぼって、受験者の運転を観察する方法です。
たいていの場合は発着点近くにあります。
この場合は、運転免許証などの確認は事前に済ましておき、自分の受検順番が来たら、少し離れてみている検定員に向かって、大きな声で自己申告をすることが多いです。
・追尾型
受験車両(あなたの運転するオートバイ)のすぐ後ろに、検定員が乗る普通車が追尾してくる方法です。
多くの場合、運転者は別にいて、検定員は助手席に座って観察(採点)に集中しています。
この場合の自己申告は、助手席に座っている検定員に申告することになります。
また、この追尾車両は、あなたの後ろにピッタリとついてきます。この車両を一台の車両として認識しないでください。
この車両は「いないもの」として、走行します。
いわゆる「ゴースト車両」です。
⑥検定コースを間違えてしまった場合
②の項目でもお伝えしましたが、やはり、卒業検定です。
緊張しない人はいないでしょう。
今、私が卒業検定を受けても、緊張すると思います。
そんな状態ですから、いくら検定コースを覚えてきたといっても、検定開始時に頭が真っ白になることもあります。
実際、卒業検定中に、コースを忘れてしまう人も、月に何人かいます。
コースを間違えてしまった場合、どうなるのでしょうか。
コースを間違えてしまった事についての減点はありません。
コースを間違える前の地点にまで戻って、走行し直すことになります。
ただし、コースを間違えてしまった場合は、2つ、注意点があります。
1つめは、「コースを間違える前の地点」まで、前進迂回をして戻る事。2つめは、コースを間違えて前進迂回している最中も、採点の範囲となる事。④でお伝えした通り、採点の範囲は「乗車する時から、降車するまで」に、変わりはありません。
とはいえ、コースを間違えてしまった場合、どこをどう走って、間違える前の地点に戻ればよいのか、訳が分からなくなります。
というか、卒業検定中にコースを間違えた時点で、頭が真っ白になってしまいます。
「やっちまった!!」と。
「やっちまった」ら、直線コースで停止してください。
右左折などの、曲がっている最中に停まると、転倒の危険がありますから、曲がり終わって直線状態になってから止まってください。
そのころには、技能検定員も、あなたがコース間違いをしてしまったことは既に分かっています。
停止したところで、検定員から前進迂回するコースが指示されるので、その指示に従って前進迂回すればよいです。
頭の中が真っ白になって、コースが飛んでしまった場合も同じです。
間違っても「あれ、次はどこに行くんだっけ」などと思いながら、だらだらと走行してはいけません。
その間、走行位置がふらついたり、ウインカーが遅れたり、交差点確認を忘れたり、加速不良だったりと、減点されてしまいます。
コースが分からなくなったときは、停止してください。
検定員から、次はどこに向かうべきなのか指示されます。
落ち着いて、その指示に従いましょう。
検定は緊張します。 もちろん、検定員も、それはわかっています。
しかし、やってしまったらそれまでです。
そうならないように、技能検定開始時の説明は、しっかりと聞くように意識してください。
さらに細かな説明は、「卒業検定 説明②」を確認してください。
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