卒業検定を受検する時って、やたらと緊張します。 しかし、卒業検定での緊張は、誰でも経験することです。 この緊張を乗り越え、落ち着いて試験に臨むことが合格への近道ですが、自分の順番が来ると頭の中が真っ白になる人も少なくありません。 この記事では、そんな卒業検定に合格するため、事前に知っておくべきことを、自動車学校の視点からわかりやすく解説します。
今さらですが、自動車学校を卒業するためには、卒業検定に合格しなくてはなりません。
卒業検定の前には、「課題説明」というのがあります。
「課題説明」とは、卒業検定についての説明のことです。
大まかな説明は「卒業検定 検定説明①」で説明しましたので気になる人は、そちらも読んでみてください。
ここでは、より細かに「課題説明」について説明をしていきます。
検定説明では①検定の受験番号②検定コースの発表③課題説明④検定中止事項などが、検定開始直前に発表されます。
基本的な内容は、技能教習中に説明されているはずです。
落ち着いて、説明を聞きましょう。
①検定の受検番号
検定を受検するにあたっては、当日、「受検番号」が割り当てられます。
自分の受検番号をきちんと覚えておきましょう。
各車種別に受検番号が割り当てられますので、「受検番号」=「走行する順番」ではないことに注意してください。
例えば。
大型二輪受検者は2名、普通二輪受検者は3名。合計で受検者は5名となります。
そこで、あなたは、普通二輪「受検番号3番」であったとします。
その場合、大型二輪の検定を終えてから、普通二輪の検定を行いますので、あなたの受検番号は「3番」ですが、走行順位は「5番目」となります。
走行する順番が5番目だとしても、検定の進み具合を見ておきましょう。
例えば、あなたの前に受検する人達が、全員、一本橋などで失敗して検定中止となると、あっという間に、あなたの番になってしまいます。
検定の進み具合を見ながら、ストレッチを含めて、検定を受検する準備をしておきましょう。
たまに、検定開始時に、間違えて「教習生番号」を告げてくる人がいます。
検定時には、教習生番号は使いません。受検番号で検定が進むので、間違えのないようにしましょう。
②検定コースの発表
走行する検定コースは、検定説明時に発表されます。
検定コースは、検定説明の部屋であったり、教習の待合所などに張り出されていることが多いようです。
私のいる自動車学校では、受検番号を伝えるタイミングで、受検者ひとりひとりに、コース図を手渡していきます。
普通車などの検定では、検定員が助手席に座りますから、右左折の度に、検定員からコース案内があるので安心です。
しかし、オートバイの検定では、検定員は、管制塔から観察しているか、追従する車両から観察していることがほとんどなので、コース案内はありません。
事前から、しっかりと検定コースを覚えておくことが大切になります。
また、コース図は走行する道順を示しているだけで、走行位置は示していません。
「走行位置は自身で判断」して走行してください。
もちろん、オートバイで検定を受けるので、卒業検定受検中はコース図を見ながら走行することはできません。
コース図は、検定開始時に検定員に渡します。
③課題説明
検定は、「道路、および交通の状況に応じて、安全かつ円滑な走行が走行が出来る」かを見ています。
ですから、真直ぐな道路はしっかり加速をし、カーブなどの手前ではしっかり減速をし、信号や標識などに従い、先の状況や、周囲の状況を確認しながら、安全かつ円滑に走行しなくてはいけません。安全なら進むべきだし、優先車が来たら進路を譲るべきだし、自分が優先であれば、安全が確認できている以上は、進むべきでしょう。
かみ砕くと、「一般道路を、道路交通法に添って、安全に、スムーズに運転できるか」を見ているのです。
普通車などの修了検定(仮免検定)では、路上教習に出ても大丈夫なのかを見ます。オートバイの卒業検定などでは、この状態で卒業させて一般道に出た場合に、交通事故や違反行為をしないかどうか。交通の流れに乗れなくて、逆に危なくないのか。を見ていると思ってください。
「交通ルールを守れないのは困るし、危ないのは怖いし、交通の流れに乗れないのも困るよね。」ってことです。
そのほかにも、課題履行条件として
・坂道での発進。
・指示速度での走行。
・急制動。
・一本橋。
・スラローム。
・波状路(大型二輪のみ)。
と、検定開始前に説明がありますので、しっかりと説明を聞きましょう。
④危険行為
これをやってしまうと、その場で検定中止ですよ。というのが「危険行為」です。
信号無視。接触。脱輪。転倒。発進不能。妨害(優先車、後続車、歩行者など)。踏切内停止。逆行。通過不能。課題不履行。安全運転義務違反。指示違反。検定員補助(ハンドル、ブレーキ、口頭)。などなどがあります。
上記については、すべて検定中止となります。
「危険行為」で理解しておいて欲しいのは、「危険行為になる恐れがある」と検定員が判断した時点で、危険行為が適用され、検定が中止になるということです。
例えば、
・路上検定で接触させてしまうと、接触は交通事故となります。警察を呼ぶことになります。接触してしまった相手に対しても、大変な迷惑をかけることになります。
妨害も同じです。一般車両の走行を妨害するわけにはいきません。
・場内検定でも、接触してしまうと、車両や障害物、相手車両などに傷がついたり、壊れたりしてしまいます。もちろん、そのあとに同じ車両を使って検定を受検する予定だった受検者にも影響が出ます。
妨害も、妨害された検定者が、検定員に補助ブレーキを踏まれてしまったり、驚いて転倒してしまってもいけません。妨害された検定者までが検定中止となってしまいます。
繰り返します。
実際に接触したのか、実際に妨害になったのか。が問題ではありません。
検定員が「危険行為になる恐れがある」と判断した時点で、危険行為となり、検定は中止となります。
減点超過というのもあります。
「危険行為」はなかったものの、細かな減点が累積されてしまい、検定の途中なのに「合格点に達しない」と検定員が判断した場合は、検定が中止されます。
理由としては、ウインカーのつけ忘れ、消し忘れ。加速不良。走行位置のふらつき。安全確認忘れ。カーブ内での減速。優先判断不良などで、減点超過になることが多いです。
。。。蛇足ですが、検定員も人間です。
仕事が終わって、家に帰るときには「今日の検定は受検者全員が合格してくれた」と気分良く帰りたいですし、受検生からは「あの検定員に落とされた」などとは思われたくはありません。
はっきり言うと、受検生から嫌われたくはありません。
検定は、公正公平な立場で行わなければいけませんので、無表情を保っているだけなのです。
意味もなくニコニコしている訳にもいきません。
無表情なのは、決して怒っているわけでも、不機嫌なわけでもないのです。
そもそもは、指導員、検定員は、同じ自動車学校の職員です。気持ちよく卒業して欲しいという気持ちは、職員全員が持っています。
臆せず、堂々と、卒業検定に挑みましょう。
その場にいる全員が、合格を望んでいるのです!
前日は十分な睡眠をとり、体調を整えましょう。また、試験当日の持ち物や服装などをあらかじめ確認しておくと、当日の慌てを防ぐことができます。
コメント