パイロンコースを颯爽と通り抜ける指導員の姿に憧れる方も多いのではないでしょうか?
でも、いざやってみると「なかなか思うようにいかない…」そんな初心者ライダーのあなたへ。
スラローム走行は自動車学校で習う練習の中では比較的楽しいメニューです。
上手に通過できるようになるとめっちゃ気持ち良いです。
目標タイムをクリアできると、なおのこと気持ちが良いのですが。。。この記事ではタイムをクリアする事は二の次にしています。
この記事では、スラローム上達を目指す初心者の人のために「アクセルワーク」「目線のとり方」など指導員の経験をもとに、独特の目線で解説します。

スラロームとは
スラロームは真直ぐに並べられたパイロン(ロードコーン)を左右に互によけるようにジグザグに通過するコースです。
走行速度もそれなりにありますので、オートバイをバンク(傾ける)させながら通過します。
使用するギアは「セカンドギア」または「サードギア」が一般的ですが、それぞれの自動車学校が使用する車種、取得する免許の種類によって、使用するギアは変わります。
ギアの選択は指導員に聞くのが良いです。
基本的にはクラッチ、ブレーキは使いません。アクセル操作のみで通過します。
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スラロームのコツは5つ。
- 走行位置
- 目線のとり方
- アクセルのタイミング
- 速度調節
- ニーグリップ
それでは、ひとつずつ、みていきましょう。
走行位置
オートバイをバンクさせながら通過するので、車体を傾けることを計算に入れた走行位置にしなければいけません。
タイムを縮めようと頑張る人(指導員くらいですが)は傾けすぎて、パイロンにミラーが当たります。
気合が入りすぎると、パイロンにブレーキレバーが当たってしまうこともあります。そうなると瞬間的に転倒します。
怖がってオートバイを傾けることが出来ずにタイトな走行位置を取る人は、教習車の後ろバンパーをパイロンにこすってしまいます。
車体をバンクさせることを考えて、パイロンとの距離を保ちましょう。
手前パイロンと次パイロンの中間地点を、前輪タイヤが通過するようなイメージを持つと良いです。
目線のとり方
オートバイはバランスで乗りますから目線は大切です。
見ているところに向かってしまいます。
パイロンを見ながら通過しようとすると「パイロンに近づく」
見ているところに向かってしまうので、 パイロンを見ていてはいけません。
パイロンを見ながらスラロームをする人は、パイロンに近づきます。
後半になればなるほど近づいてしまい、パイロンをよけるだけで精いっぱい。アクセルなんて使えません。
目標タイムを切ることは困難な状況になります。
私のおススメ目線
目線は「手前パイロンと、次パイロンのちょうど中間地点」に目線を持っていくと良いです。
前輪タイヤが通ってほしい路面に目線を持っていきましょう。
ひとつ先、ひとつ先。と意識して目線を移していきます。

アクセルのタイミング
スラロームの通過基準タイムは決まっています。
- 普通二輪は8秒以内
- 大型二輪は7秒以内
しかし初心者ライダーの多くが勘違いしてしまう注意点があります。
「タイムをクリアするためにアクセルを使う」のではない!
スラローム走行でアクセルを使うのは、速く走るためのアクセル操作ではないのです。
では、何のためにアクセルを使うのか。
オートバイの動きをコントロールするためです。
傾いたバイクを起こすため
アクセルは、バンクした(傾いた)車体を起こすキッカケに使います。
直立のままカーブを曲がろうとすると、「遠心力」で車体はカーブの外側に向けて倒れてしましますよね。
オートバイがカーブで車体をバンクさせるのは、カーブの外側に車体を引っ張るように作用する「遠心力」に対抗するためです。
パイロンをヒラヒラとかわしながら通過するスラローム走行。
進路を変えるたびに、オートバイを持ち上げないといけません。
しかし、走行中です。地面に足をついてオートバイを持ち上げることはできません。
そこで、ほんの少し「遠心力」を利用してオートバイを持ち上げる「きっかけ」を作るのです。
アクセルを使うタイミングとは
では、どのタイミングでアクセルを使えばよいのでしょうか。
以下のいずれか、自分のイメージしやすいタイミングでアクセルを使ってみましょう。
- 「よいしょっ」とオートバイを持ち上げるタイミングをイメージする
- 前輪タイヤがパイロンの中間地点に来た時
- 前輪タイヤの向きが斜めになり、次の進路に向いた時
オートバイを持ち上げたいタイミングと考えるのが1番分かりやすいかもしれませんね。
しかし「ドン!」とアクセルを開けてはいけません。
急な速度変化は運転姿勢の乱れ、走行位置の乱れにつながります。
大型二輪では濡れた路面でタイヤがスリップすることも。
「じわっ」とアクセルを使いましょう。「じわっ」とです。
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速度調節
タイムをクリアしようとして次のような失敗例を多く目にします。
- 速度を上げすぎてパイロンに接触
- 曲がり切れずに前輪ブレーキを使ってしまい転倒
- スラロームコース外への逸脱
いくら「アクセルを使うのはタイムをクリアするためではない」とか「車体を起こすキッカケ」などど言われても、やはりタイムをクリアしたいという心理が働きます。
分かってはいても、つい「オーバースピード」に。
オーバースピードで進入するので、後半になればなるほど「キッツキツの走行ライン」になっていきます。
そもそも、オーバースピードなのでアクセルは使えません。
スラロームの走行は、タイムをクリアすることが目的ではありませんでしたね。
タイミングが分かってくると「本当に気持ちよく」「楽しく」通過できますよ。
ニーグリップ
腕に力が入りすぎて失敗する人も多いです。
教習中に見ていて、多くみられる失敗例
- アクセルを強く入れすぎた
- ガツンとやってしまった
- アクセル操作がまったく出来なかった
- スラローム走行中に前ブレーキをかけてしまった
- ギアがニュートラルになってしまった
すべての失敗を克服するコツが一つだけあります。
それがニーグリップです!
カラダとオートバイを一体化させる
- 緊張して腕に力が入った。
- ハンドルにしがみついてしまった。
- バランスを崩して足を着きそうになった。
失敗した人がよく言う「言い訳」例です。
両ひざでしっかりとタンクを挟み、上体のチカラが抜けるように意識しましょう。
そうすることによって、カラダを支えるのは下半身になります!
ハンドルでカラダを支える必要がなくなり、スムーズなアクセル操作が可能になります!
スラロームは「アクセルを使って車体の動きをコントロールできるようになる」ための練習でしたね。
スムーズなハンドル操作のためにはニーグリップは不可欠です。
スラロームの通過タイム
上記しましたがスラロームの目標通過タイムは以下の通り。
- 普通二輪は8秒以内
- 大型二輪は7秒以内
誤解してはいけないのは、スラロームの一番の目的です。
目標通過タイムをクリアすることが目的ではありませんでした。
「アクセルを使って通過すると大体これくらいのタイムになるよね!」
そう思ってください。(※超個人的な感想です。)
タイムをクリアしたから大丈夫。
タイムがクリアできていないからダメ。
などと表面だけで理解しないようにしてください。

まとめ
スラロームの通過の仕方につての基本的な考え方についてお伝えしました。
練習をするうえで忘れてはいけないことを復習しましょう。
通過タイムを第一に考えてはいけない
スラロームは速く通過することが第一目標ではありません。
傾いたオートバイを起こす「キッカケ作り」です!
アクセルを使って車体の動きをコントロールすることをおぼえて欲しいのです。
決して「速ければ良い」わけではありません。
それを改めて理解した上で、練習には以下のことに気を付けてください。
- 走行位置
- 目線のとり方
- アクセルのタイミング
- 速度調節
- ニーグリップ
スラロームを通じてバイクの動きをアクセルでコントロールするコツがつかめます。
アクセルのタイミングが分かってくると、すべての走行が楽しくなります。

卒業してからも楽しくなります。
スラロームの走行でバイクの動きをコントロールするコツがつかめてくると、2つの大きなメリットに気づきます。
安全運転に必要なスキルの大切さに気付く
- 安全運転のためのスキルとはこういうことなのか
- ゆっくり走っていればすべてが安全運転につながるわけではない
- スローイン・ファストアウトがいかに大切なのか
- 自分の操作でオートバイの動きをコントロールする楽しさ
- スピードを出さなくてもカーブが気持ちよく感じられる
- 長距離でも無駄に疲れにくくなる
スピードを出して走るのがいかにむつかしく危険なことなのかに気付く
- 自分の未熟なスキルを過信する怖さ
- スピードが速いとコントロールするのがむつかしくなる
- 加速よりも圧倒的に減速のほうがむつかしい
- 恐怖心が出てしまった時は何もできなくなることの怖さ
- カラダに無駄なチカラが入った時の危なさ
スラロームの練習は、単なるテクニックの習得だけでなく「バイクとの一体感」を深めるための良い機会でもあります。
この記事ではスラロームの走行について的を絞りました。
- 一本橋
- S字
- クランク
- 急制動
- 指示速度
などの練習もオートバイを安全に楽しく運転するための欠かせないスキルです。
ぜひ、楽しんで挑戦してみてください。
上手く出来た時の気持ちよさは格別ですよ!
別の記事では、スラロームの練習に関連する記事もあります。
あわせてご覧ください。
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卒業検定を受ける時の注意点や心構えについて私なりの考え方をまとめました。
卒業検定が近くなってきてスラロームの走行について不安を感じたときはこちらの記事ものぞいてみてください。
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卒業検定時のスラロームの走行について。


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