「クランクが苦手」を克服!元指導員が教える5つのポイント

二輪検定用ビブスの写真 卒業検定

卒業検定を間近に控えて不安を感じているあなたが「クランクの走行」に自信を持って練習に臨めるように、元教習指導員の私が攻略の秘訣をお伝えします。読んだ後に「ひょっとしたらイケるかも」と思ってもらえる記事を書いてみました。

自動車学校のクランクコースの写真

 卒業検定が近づくと、クランクの走行に不安を感じる人が多いです。
実際、私の25年の教習指導員の経験からも、多くの教習生にとって「狭路の走行」。特にクランクと一本橋は、苦手な課題として「大きな壁」となっていました。

 この記事ではクランクの走行に特化して「これならイケるかも!」と自信を持てる5つのポイントをわかりやすくお伝えします。あなたの不安が自信に変わると信じています。

 また最後には「技能検定員でもあった私」だから言える「検定員が本当に見ているポイント」も併せてお伝えしていますので、参考にしてもらえればと思います。

ニーグリップと目線

 クランク攻略の前に、オートバイを乗りこなすための絶対的な基本をおさらいしましょう。

 それは「ニーグリップと目線の大切さ」です。

 ニーグリップと目線の大切さについては、他の記事でも度々説明していますので、ここでは大きく触れませんが、改めて再確認しておきましょう。

ニーグリップをしっかりする!

 ひざでタンクをしっかり挟むことで、車体と身体を一体化。そしてハンドル操作に無駄な力が加わらないように意識しましょう。
 クランクのような低速走行では、この一体感がバランスを保つ鍵となります!

 じゅうぶんに承知しているはずなのですが、卒業検定という場での緊張感は相当なものです。

 今まで教えてきてクランクに苦手意識がない教習生でも「卒業検定に限ってクランクで失敗してしまった」という人はたくさんいました。

 緊張感から両手にチカラが入ってしまい、ひざからチカラが抜けてしまうのです。苦手意識がある人ならなおさらです。

 苦手な場所こそニーグリップ。

 ニーグリップについて更に詳しく学びたい人へ。
   ↓
正しい運転姿勢で安全運転!二輪指導員が教える7つのポイント オートバイ教習攻略 運転姿勢

ニーグリップをしていない立ち姿勢の悪い例の写真
目線を進行方向に向ける!

 オートバイはバランスで乗るので、見ているところに向かってしまいます。

 クランクでは曲がった先に視線を向けることでハンドル操作がしやすくなり、車体が自然と正しい方向へ導かれます。

 決してパイロンなどを見ながら走行しないように!

 良くも悪くも「オートバイは見ている方向に向かいます」

 向かいたくない場所をじっと見てしまわないように注意しましょう。

目線と走行位置について詳しい記事はこちら。
   ↓
自動車学校コースの走行位置の基本を徹底解説 オートバイ教習攻略 走行位置について

クランク攻略の5つのポイント

 では卒業検定でクランクをクリアするためだけにフォーカスを絞って、以下の5つのポイントについて説明していきます。

  1. 進入口での速度を決める!
  2. 半クラッチとリアブレーキで速度をコントロール
  3. フロントタイヤで曲がる
  4. クランクの中に直線はない!
  5. 「前ブレーキは絶対に使わない」と心に決める!

 ひとつずつ確認していきましょう。

オートバイの右ハンドル、アクセルグリップとブレーキレバーの写真

最重要!クランク進入口での速度を完全に決めきる!

 これ。
「クランクあるある」なんです。

 卒業検定を受検中にクランク失敗する人の多くは「入口の速度調節で失敗」しています。
 実際に私が検定を担当していても、クランクの入口で失敗した人はクランク内で検定が中止になる人が圧倒的に多かった気がします。
 言い換えると「入口で失敗した人はクランクを通過できない」のです。

 クランクコースをわりと雑に進入してしまい、クランクコースの中で慌てて半クラッチを調節しなおして失敗。
 足を着いてしまったり
 停止してしまったり
 中には転倒する人も。

 私の知る限りクランクコースには左折進入のコースの自動車学校が多いです。
 そして入り口は直角進入が多いです。
 ということは
「入り口がすでにクランク!」

 次回、自動車学校に行ったときに改めてよく見てみましょう。
 入口の角度と、クランク内の角度にどれほどの違いがあるのか。。。

 クランクが上手くいくかどうかは入り口で決まると言っても良いです。
 入り口で、クランクコース内と同じ速度にしておけば、出口までスムーズに走行できます。

 クランクの入り口で半クラッチを完成させて進入すると良いのです。

 クランクコース入り口前に差し掛かるころには「これくらいの半クラッチで行くぞ!」という半クラッチ状態を決めてください。
 少し強めの半クラッチがお勧めです。

 それ以降は半クラッチの加減を変えない!

 決めた半クラッチ状態を維持して、後輪ブレーキで速度を調節すると良いです。

 半クラッチなのでエンストはしませんし、後輪ブレーキを踏む力を緩めると速度が少し上がるのでバランスを保ちやすいです。

「よし、この速度ならイケる!」と確信してから進入します。

半クラッチとリアブレーキで速度をコントロール

 上の「入口」のポイントにもつながるのですが、まずは半クラッチを決めきって「クランクコースを走行中はクラッチの加減は変えない」ように通過しましょう。

 せっかく入口で「クランク通過用の半クラッチ」を決めたのに、クランク走行中にクラッチの加減を変えてしまうから失敗してしまうのです。

「速い!」と思った時
 クラッチレバーを握ってしまうから急に失速。
 内側にふらついて足を着いてしまったりします。

 クラッチを握ると速度が落ちるのはもちろんですが、オートバイが急に不安定になります。

「ヤバい、クラッチを握り過ぎた!」と焦ってレバーを放すのでエンストしてしまうのです。

速いと思ったら

 速いと思ったら!

 半クラッチはそのまま
 リアブレーキで速度を抑える!

 半クラッチであればエンストはしません。
 しかもリアブレーキを踏むと不思議と車体は安定します。

 繰り返します。
 入口までに決めた「半クラッチの調整具合は変えない」。
「速い」と思ったらリアブレーキで速度を抑えながら進む。
「遅い」と思ったらリアブレーキを離して速度を戻す。
 どちらも「半クラッチがキープで来ていれば」ちゃんと進むし、絶対にエンストはしないはずです。
 半クラッチを維持して、リアブレーキでスピードコントロールをしましょう。

 クランク内で半クラッチの調整具合をチョコチョコと変えてしまうから失敗してしまうのです。

 半クラッチを維持し、後輪ブレーキで「ちょっと待て!ちょっと待て!」という感じで速度を調節しましょう。

筆者所有オートバイのフロントタイヤの写真

フロントタイヤで曲がる

 クランクを走行中の速度を思い出してください。

 あんなにゆっくりと走行しているのに、車体を傾けて曲がろうとすると内側に傾いてしまい、バランスを大きく崩します。

自転車を降りて、押して歩いているとき、交差点などを曲がるとき、自転車を傾けて曲がる人はいるでしょうか?
 自転車はそのままに、ハンドルで曲がっていきますよね。
 自転車自体を傾ける人はそんなにはいないはず。

 普通に考えたら、車体を傾けるほど転倒の危険性は上がります。
 クランク走行中はゆっくりと走行しているはずです。
 遠心力はないも同然です。
 という事は車体を傾けて曲がる理由がなくなりますね。

 もちろん、まったく傾けないというわけにはいかないでしょうが、イメージとしては前輪タイヤの角度で曲がるイメージを持ってください。
 大型二輪では車体が大きくて重いので、なおさらです。

 もちろん、ニーグリップが必要なのは言うまでもないですね。

 クランクは「狭路の通行」。
 もっと言うと「低速バランス」の項目なのです。
 ゆっくりと通過する練習なのです。間違えないようにしてください。

 もちろん、指導員が車体を傾けるような指導をしていたら、その指導員は失格です。

進行方向に顔を向ける

 車両は「前タイヤの向いている方向」に向かいます。
 ニーグリップをしっかりして、腕の力を抜いてハンドルを進行方向に向けます。
 「顔を進行方向に向ける」と思った方が良いかもしれません。

 出来るだけオートバイは直立に近い状態を保ちつつ、進行方向に顔を向ける。

 ニーグリップがしっかりと出来ていれば、ハンドルは自然と目線の方向に向くので、曲がりやすくなりますよ。

 やはり「ニーグリップと目線」が大切なのです。

 追加ですが、オートバイは見ているところに向かっていきます。
 パイロンなんかを見ながら曲がると、そっちに行っちゃいますよ!

クランクに直線は存在しない!小さなS字をイメージ

 クランクコースの中に「直線部分はない」と思いましょう!

 「スラローム」の項目や「メリハリのある走行」の記事でも触れましたが、傾いたオートバイをまっすぐに起こすためには、地面に足を着いて車体を持ち上げるか、加速したときの遠心力を利用して車体を起こすか。の2択になります。

 クランクコース内で脚を地面に着いてしまうと減点の対象。最悪は検定中止となるので足を着くのは避けたいです。

 だからと言って車体を起こすために加速をすると「狭路の通行」の課題からは外れたことになります。
 速度が速すぎても減点されてしまいます。
 しかもクランクコース内で加速すること自体が失敗の原因になることは明白です。

 それを避けるためにも「直線」→「直角カーブ」→「直線」というコース設定にしないようにすることが大切です。

小さなS字コースだと思う

今さらではありますが、クランクコースをイメージしてください。
 そもそも、バランスを取りながら走行しなくてはいけないオートバイが、あんなに「カクッ!まっすぐ!カクッ!」なんてライン取りで走行できるはずがないと思いませんか?

 少なくとも初心者には無理です。
 たぶん、私も無理です。
 ましてや教習生は「まだ免許を持っていない人」なので初心者にもなれていません。

 クランクは「カクカクとコース通りに通過」しようと思ってはいけないのです。

 クランクコースの道幅をいっぱいに使って、出来るだけ「まるーく」通過するように意識すると良いです。

 「小さなS字コースと思い込む」のです。

 この自己暗示。わりと効果ありましたよ!

「前ブレーキは絶対に使わない」と心に決める!

 「出来るだけ効率の良いS字カーブ」で通過したいです。
 ずっとカーブ状態で通過したいのです。
 そんな時に前(フロント)ブレーキを強くかけられる人はいません。

「スピードを落としたい!」
「ちょっと危ない!」
 そう思ったときに前ブレーキをかけたら転倒してしまいます。
 ただでさえ前ブレーキは強く止まれる半面、バランスを失いやすいのです。

 クランク内では「前ブレーキは厳禁」だと思いましょう。

ブレーキレバーに指をかけない

「前ブレーキは使いません」

 ブレーキレバーに指をかける必要がないのです。

 フロントブレーキは強力な反面、バランスを失いやすい。
 リアブレーキは弱い反面、バランスは保ちやすい。

 ブレーキレバーを握ることを想定してアクセルグリップを上から持つ必要がなくなり、自然な運転姿勢になります。
 グリップを自然な形で握れるようになります。
 オートバイの安定性が増します。
 スムーズにクランクコースを通過できるようになります。

 ブレーキレバーを構えた状態でいるのはやめましょう。

 使うのならリアブレーキで十分でしょう。

教習用オートバイの右ステップと後輪ブレーキペダルの写真

まとめ

最大のポイントは進入時の速度!

 卒業検定のすべてのポイントは「進入時」にかかっています。

  • テキトウな速度で進入しない。
  • テキトウな半クラッチのまま進入しない。

 まずはこの2つがポイントです。
 これが出来ていることが前提で「前ブレーキを使わない」ように「直線部分を作らない」ように走行するのがポイントです。

 まずは卒業検定に合格することを目指しましょう。

  • 進入する前から体制を整えて
  • ニーグリップと目線に気を付けて
  • オートバイを傾けてしまわないように
  • 出来るだけ曲線状態
  • 使うなら後輪ブレーキ

「クランクの走行が苦手だ」
「クランクを克服したい」
 と思っていて、クランクの走行ばかりを練習していてもダメです。

 私が「クランクを不得意と感じている教習生」に教習する時は、ほぼ間違いなく「クランクコース以外のコース」で基本をみっちりとやり直します。

 クランクが苦手な人は、クランク以外の普通の右左折にも真剣に取り組んで、卒業検定に向けて練習してください。

自動車学校のコースサイドの縁石上に並んだロードコーンの写真

技能検定員の目線で

 冒頭でも触れましたが、私は教習指導員として教習をしていましたが、技能検定員でもありました。

 私が実際に見てきた「技能検定におけるクランク通過中の失敗」をまとめてみました。

転倒は即刻中止!

 クランクに限ったことではないのですが技能検定中の走行の全てにおいて、転倒は即「検定中止」になります。

 転倒だけは絶対に避けなければいけません。

 クランクコース内での転倒につながる、最も大きな原因は「とっさに使ってしまった前ブレーキ」です。
 なぜなら、パニック時に握り込んで転倒するリスクが高いからです

 また、転倒はしていないけど「転倒しないように足をついて必死に踏ん張った」状態も転倒とみなしますので気を付けてましょう。

転倒以外に多い中止事項

 転倒以外でも、卒業検定でクランク走行中は次の3つは避けましょう。
 いずれも検定中止となります。

  • 曲がり切れずに停止
  • 曲がり切れずにエンスト
  • 曲がり切れずに後退

 これらを避けるために、上記した「5つのポイント」があると思ってください。 

 上手く通過できる事より、安全に通過するように意識しましょう。

 とにかく、通過してしまうことを第一に考えましょう!

足をついてしまっても気にしない!

 もしバランスを崩しても、ちょっと足を着いてしまった程度なら気にしないでください。

 1回、足をついてしまったからと言っても、大した減点ではありませんから。

 足をついてバランスを立て直せたのならそれで良いのです。

 もちろん、何回も足をつきながらでは困りますけどね。
「この人は足をつきながら出ないとクランクを通過できないのだな」などと思われてしまうと「通過不能」とみなされてしまいます。

検定員はここをみている

 25年の経験で私は検定中に、特に気にしてみていたのは以下の2つです。

  • 前ブレーキに指がかかっていないか
  • 車体を傾けて曲がろうとしていないか

 検定員は、決して「素晴らしい運転テクニック」を期待しているわけではありません。

「クランクを安全に通過できる人なのか」
「卒業した後、交通事故を起こしたりしないだろうか」

 このことを最も重要なポイントとして観察しているのです。

検定員に「わっ、あぶなっ!!」と思わせないように運転出来ればそれで良いのです。

ここまで読んで少しは気持ちが楽になったでしょうか?

明日からの練習の励みになったでしょうか?

納得できるまでしっかり練習して、卒業検定を迎えられるようにがんばりましょう!

自動車学校のクランクコースの写真

卒業検定の流れについて気になる人はこちらです。
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超緊張。卒業検定を突破!合格するためのノウハウを伝授 検定説明①

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