初心者にとって、オートバイをまっすぐに走行させるのは、意外とむつかしい
バイクに乗る上で、安定した走行は安全で快適なライディングに欠かせません。
特に初心者ライダーにとって、バランス感覚を養い、スムーズにバイクを操ることは大きな課題の一つです。
しかし、初めてオートバイに触れる教習生にとって、この「安定した走行」は意外とむつかしく感じる人が多いです。
それは、年齢が高くなるほど、むつかしく感じるようです。
面白いことに、10代の若い教習生などは、逆に何も教えなくてもまっすぐ走れちゃいますけどね。
ここでは教習指導員歴が20年を超える私から伝えることの出来る、「安定走行についての考え方」について、お伝えします。
活字での表現なので、あくまでも「考え方」です。
参考になれば良いなと思っています。
発進が上手く出来るようになったら、その次に目指すのは、安定して走行できることです。
初心者にとって何が難しいかというと、発進などの練習は、センタースタンドを立てて停止した状態で練習できます。
しかし、走行中のバランスのとり方は、走行中でないと練習が出来ません。
恐怖心のある初心者にとっては、これがムズポイントとなるのです。
オートバイは2輪車です。バランスを取りながら走行しなければなりません。
発進した直後の走行速度が遅い状態だと、バランスを取るのが難しいのです。
そうです!速度が速い状態のほうがバランスは取りやすい。
しかし、恐怖心のある初心者にとって、走行速度を上げるのは至難の業と言っても良いでしょう。
無理して速度を上げると「暴走」しかねません。
指導員の立場からしても、それは絶対に避けなければいけません。
「安定した走行をするために」
走行速度をいきなり速くするのは、教習生も指導員も怖いです。
そこで、まずは安定した走行をするために、発進時のエンジンの回転を維持したままクラッチを徐々に放してけるようになりましょう。
安定した発進が出来たら、素早くセカンドに繋げるように練習しましょう。
素早くギアチェンジする練習は、オートバイに触れていなくても、自宅でイメージトレーニングをするだけでも良いですので、練習しておいてください。
ギアチェンジのタイミングが近づいてきたら、左つま先をギアペダルの下に入れておきます。
そして「アクセルをを戻す」と「クラッチレバーを握る」を同時に素早く行い、その直後に素早く左足でギアペダルを上にかき上げる。
その後、クラッチレバーを放しから、じわーっとアクセルを回して、エンジンの回転を上げていくイメージです。
ギクシャクするようであれば、アクセルを回しながらクラッチレバーを戻していくようにしましょう。
ここで質問です。オートバイは真直ぐに走れるのでしょうか。直線状に走行できるのでしょうか。
答えは「否」です。
二輪車は真直ぐに走行することは不可能です。(※私個人の考えです)
思い出してみてください。自転車に乗っているときはハンドルを固定できましたか?
微妙にハンドルを動かしながら、バランスを取りながら乗っていましたよね。
言ってみれば、「くねくね」と走行しているのです。
オートバイも二輪車なので、自転車と同じです。真直ぐに走らせようとしすぎて、ハンドルを固定して上半身でバランスを取って走らせようとしていませんか?
上半身は安定させて(ニーグリップです)、ハンドルで走行位置を調節して、バランスを取りながら走行しましょう。
イメージとしては、頭の位置を変えないようにして、ニーグリップをしっかりして、ハンドルでバランスを取るイメージです。
オートバイは(二輪車は)真直ぐ走るのではありません。
くねくねと微妙に走行位置を調整しながら、目的の方向に向かっていると思って練習しましょう。
これが理解できれば、教習項目で難関の「一本橋」も簡単にクリアできるようになります。
もちろん、目的の場所に向かうためには、目線のとり方など、正しい運転姿勢が重要となります。
しっかりと進行方向に顔を向けて、肩の力を抜いて、ニーグリップを意識しましょう。
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